kigyousyosetsunon10の日記

ノンフィクション小説から経済を学ぶ

経済を学ぶ! ノンフィクション系企業小説

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選んだポイント:勉強できる小説、主人公のポリシーとあきらめない姿勢

 

 新しいビジネスに取り組むとき、今の仕事に行き詰まったとき、勇気づけられたいときに読む企業小説を紹介します。主観で選んだタイトルですが、勉強になり、かつ何度も読み返したくなるストーリー性から元気をもらえる小説だと思います。ビジネスのケーススタディとして参考書にもなりえるノンフィクション性を重視して選んでおります。

 

1. 竜馬がゆく司馬遼太郎

言わずと知れた定番中の定番。全8巻と長編ですが、司馬遼太郎氏のテンポの良さと、激動の時代に流れが早く、あっという間に読み終わってしまいます。幼少期は泣き虫だった竜馬の成長に共感して勇気づけられる。時代背景と登場人物の思惑による政治的側面を勉強できるため、司馬遼太郎氏の1冊目としても、幕末から近代日本史を学ぶ1冊目としても十分に期待に応える本です。読者数が多く、共通の話題にもなり易く、上司や取引先との会話ネタに困った人にもおすすめ(笑)。

おすすめポイント

幾度となく訪れる困難に対し、「諦めない」マインドと、人に会うことからアデアを得ることで、解決策を具体化させる姿勢は、現代ビジネスにも役立ちます。

 

2. エネルギー(黒木亮)

商社ビジネスの実務が勉強できる1冊です。ロシアにおける原油開発ビジネスにいて、国際金融と開発ビジネスのプロセスを具体的に書かれているため、仕事のイメージがつき易いです。「商社の醍醐味って?」の疑問に対するストーリーがあり、その交渉術については、参考になる部分が多いです。また、環境問題に対する仕組みもわかりやすく、主人公の個人的な苦悩も共感できるため、長編でも一気に読めてしまいます。

おすすめポイント

国際金融、入札、供給から環境問題まで、実務が具体的に勉強できます。エネギービジネスだけでなく、そこに関わる仕組み自体を理解でき、ケーススタディとしては応用性が高いと思います。

 

3. バルジブラケット(黒木亮)

個人的にはイチオシの小説です。時代はバブル期になりますが、国内大手都銀か外資投資銀行へ転職する主人公の苦悩と活躍は、何度も勇気づけられました。また、M&Aに関して、かなり詳しい実務まで描写されているため、この1冊きっかけに、他のM&A本にも興味をもたされます。ストーリーが軽快なため、内容の難しさがあっても、理解度は高いです。

おすすめポイント

国際金融機関と国内銀行との比較と役割が対比でき、またその業務範囲の広さを理解するにはうってつけの1冊です。特に、近年で力を入れているM&Aについては、弁護士も絡んだ業務内容を説明隣、他にはない臨場感も楽しめます。

 

4. 海賊とよばれた男百田尚樹

映画化もされた名作。戦争でなにもかも失った中で、社員だけがいる状況から這い上がる力強さは、「リーダーシップとは何か?」「ビジョンとは何か?」を勉強できる1冊でした。テンポが痛快なため、石油業界でアイデアと熱意で奮闘する主人公と社員のモーレツ振りは、現代社会で忘れつつある仕事への姿勢を学ばされました。

おすすめポイント

業界は多々あれ、「商売」の本質を勉強できる点です。組織、経営、そして社会との係わりを、独自の哲学(ポリシー)をもってあきらめない姿勢は、何度も読み直したくなる魅力があります。

 

5. 志高く孫正義正伝(井上篤夫)

日本を代表する経営者の生い立ちを描いた作品。絶え間ない事業家精神によって、数多くの成功を収めている孫氏の根本にある考えはなんだったのか?まさに、野心ではなく「志」と言うに相応しいマインドを貫く姿は、どんな時代にも、どんな場所でも通用する姿勢を学べます。坂本龍馬に憧れ、諦めない志によって勝ち取っていくビジネスは、常に一貫した信念に統一されており、金儲けとは異なる次元で進めている責任感によって支えられていました。

おすすめポイント

十代に描いた夢と人生設計を一歩一歩進めていくことは、誰もが簡単にできることではありません。その根底にある「高い志」を純粋に貫くことが、時代を先取りすることで必要なことあることに共感させされる1冊です。

 

6. 再生巨流(楡周平

物流業界の革命とEコマースの実現を書いたフィクションですが、プロジェクト進行の基礎が学べる作品です。アイデアの創出から情報収集、そして企画立案と組織化を組み上げ、プロジェクトを具現化しているプロセスが、ストーリー性のある展開で勉強できるため、実務本としても活用できます。また、主人公の熱いキャラクターに共感を抱き、「泣ける」シーン展開もあるため、仕事への意欲が湧く1冊です。

おすすめポイント

機能別に社内の各セクションから収集したプロジェクトチームの統率から、課題にぶつかった際の社内調整など、実際の仕事をイメージしやすい描写となっており、マーケティングなどのビジネス書と併読することで、理解が深まります。

 

7. 商社審査部25時(高任和夫)

商社出身の筆者による主張性の高い審査マンポリシーによって展開。リスク回避を主眼とした与信管理から、積極的に「生きるマネー」のあり方を提唱した作品。審査部門のみならず、営業部門で活躍する読者にも参考になる考え方となる。また、一貫したポリシーを追及する主人公の姿勢にも、企業で働くことを考えさせられ、また勇気付けられるストーリーです。

おすすめポイント

リスクを理解したうえで商売を展開する手法について、「攻めの姿勢」を学べるポイントが勉強になります。また、商社の審査活動における基本も学習でき、実務に応用性の高い1冊です。

 

8. V字回復(三枝匡

企業の再生を、コンサルタントの目線と具体的な手法をもって説明されながら展開するストーリーは、正に事業と組織の革をどのように進めたらいいかを指南してくれる教科書のような1冊。限られた時間の中で、コンサルタントが何を分し、どのように実践していくかが学べます。また、若きリーダーの育成についても、その抜擢から起用まで、組織活性化のケーススタディもされております。

おすすめポイント

初期段階におけるヒアリングから、プロジェクトチームの発足と結束、そして具体的なツールの紹介を、ストーリーをもって学べるため、経営学書籍を学んだ後に読み返すことで、各理論が「点」になっていた視線から、プロジェクト完了までの「線」として実践できるレベルまで学ぶことができます。

 

9. 不毛地帯山崎豊子

ドラマ化もされた長編大作。総合商社で営まれる事業が、そのプロジェクトごとにスケールの大きな舞台で描かれていきす。繊維中心だった近畿商事が、どのように工業化の波に乗り、事業を拡大していったかは、現代のM&Aの先駆けとえる手法と、情報戦に勝ち抜く洞察力、そして組織化をマネジメントした結果でした。物語は、戦後の昭和から始まってり、高度成長期におけるビジネスのケーススタディとしても、参考になります。

おすすめポイント

筆者の綿密な調査活動による裏付けがあるフィクションとなり、各シーンにおける登場人物の思惑と、その交渉に着眼して読み進めることで、先を見通す力を学べる作品です。

 

10. 空飛ぶタイヤ池井戸潤

数多くの企業小説を発表する同氏の作品で、初の映画化となった力作。テンポの良い文章と、不正を暴くストーリーは健在。なぜ不正は繰り返されるのか、そして被害者が後を絶たないのかについて、我が身に振り返って考えさせられます。社会的信用と組織に属するが上に誤った認識を取ってしまう行動に、コンプラアンスが重視され現代社会での仕事の進め方が学べる作品です。

おすすめポイント

同氏の作品に特徴的ですが、登場人物の心理状態と、その交渉術については、いかに相手の思惑を読み取り、自らの立場を決めていくかについて、様々な視点から参考になるシーンが多く、参考になります。